それは、遠くかけ離れた世界・・・
とある男性が森を歩いていた。しかし、森はもう暗くなり辺りが恐怖のように静まりきっていた・・・。グシャ、グシャと木の葉を踏む音が歩くたびに聞こえていた。しかし、その男性はそれを気にしないように光のような物を持ち、森の奥へと進んでいく・・・。
そして、その男性は、見つけた。と思い、その場で止まる。そこには、見たこともない巨大な機械が目の前にあり、いまにも動き出しそうな勢いだった。その男性は光で当てながら機械の全体を確かめるかの様に当てていき、それが本当か調べているようだった。
そうして、調べ終わったかの様に光を消して、まだかな・・・。と待っていたが、そう思う前に機械の反対側から、小さな青色の生物がひょこっと出てきて、尻尾を振っていた。
その男性はその生物を持ち上げた。それと、同時に機械の反対側から、ドレスのような服を着て、目には不安と責任を持ったような目をしていた少女が現れた
そうして、出てきたのを見て男性は少し寂しい目になった。まるで、一時的な別れのような・・・。少し黙ったが、男性が口を空けて・・・

「やっぱり、行ってしまうのか」

男性がその少女に心配そうに言った
その後、少し沈黙になり、少女は少し下を向いた・・・。そして時間が経った後に少女が首を縦に振り、確信した目になった。決心がついたような声で少女が・・・

「・・・はい・・・これは、私がやらないと意味がないから・・・」

そう聞いた男性は、安心したような顔をして少女を抱いた。しかし、心の中では、もしかして、最後の出会いになるかも知れない―。その男性も、少女と同じく不安が大きかった・・・。
静かなる森の中で抱いたままかなりの時間が経った。さすがに、時間が惜しくなったのか、少女は抱くのを離して、最後に手を出してニコッっと笑った。その男性も手を出して笑った。最後ではない、また会えるだろう―。そう思えるようになった。
そうして、エラーラと言う特殊な物で出来たお守りを少女が付けて・・・

「それじゃ・・・行って来ます・・・」

そう言って、少女が巨大な機械の中に入っていった。それが、この暗闇の森のせいか、男性には地獄への入り口の門かと、恐怖を浮かべた・・・。しかし、そう思ってはいけない。と思い、その思いを消して、中に入っていく少女に手を振った。
そうして、少女はその巨大な機械の中に入っていく―。
3分くらい経って、その巨大な機械にバチンと電源が入ったような音がした。男性は、なぜか少女に会ってから恐怖ばかり思い出す。今の音が友情の紐が途切れたような音―。顔は元気そうだったが、心の中では不安しかなかった・・・。
そして、その巨大な機械が空へと浮かび出す・・・。空へと浮かぶ姿はまるで流れ星がまた、空へと上がっていくような光景だった・・・。そして、少女を乗せた機械が天空の高くまで上った後、男性が・・・

「なんてことになったんじゃ・・・頼む、無事でいてくれよ・・・」

そう言った後、男性は深く泣いた・・・。深い森の中で泣き声だけが聞こえる・・・。
そうして、少女の一人旅が始まった・・・。


                                                                  next