リッドとメルディは、暫く一緒となり、いろいろした。いつもなら飽きると言っていたリッドもこれだけは何故か、楽しい顔をして、話していた。
そして、リッドは流石にメルディを背負って歩いた疲労が貯まって、ベットに横になった。そして、5分くらい目を閉じていたら、すぐにリッドが少し鼾をして眠ってしまった。その姿を見て、メルディもすぐに寝ようと何故かリッドと一緒のベットに入って寝ようとするが、眠れない・・・。それは、日中も眠っていた事が多く、寝付けなかった。まるで、眠ることを失った人形のように・・・。
その時、温かい光が現れた。メルディの手とリッドの体が触れていた。その時、メルディはそっと口を開けた。

「・・・フィブリル・・・」

そう言って、メルディは目を瞑った。何故か知らないが安心し、すぐに眠ることが出来た。リッドとメルディの二人がレグルス道場の寝室で眠る・・・。

「ふぅ〜・・・稽古も手伝ったら疲れたぁ〜・・・」

体を伸ばしながらファラが寝室に入ってきた。ファラはあれから師範と話し、そして道場の稽古も兼ねていたのだった。

「早くお風呂入って、寝ようっと〜・・・」

ファラは、寝室の奥にある風呂場に行こうとしたとき、リッドが、メルディと一緒に寝ているのに気づいた。見たとき、一瞬目を疑ったので、軽く自分の頭を叩いてみたが、変わらない。やっぱり、二人が一緒に寝ているというのはかなり驚いていた。それと同時に、仲良くなれたという安心感も出てきた。ファラは毛布を掛け直して、電気を消して風呂場に向かった。

そして、翌日の朝・・・。起きたのが1番早いのはファラだった。軽く体を伸ばして、朝の稽古の手伝いだろうか、胴着を着て、寝室から急いで出て行った。
次に起きたのはメルディ。寝すぎたのか、寝癖が少しある状態だった。メルディは髪を軽く触って、目を擦っていた。そして、大きなあくびをして、ベットから起きた。

「ギィドゥ ニディチトゥグ・・・リッド」

もう、完全にリッドの名前は覚えたようだった。そして、リッドを起こそうとリッドの体を揺らす。しかし、揺らしつづけてもなかなか起きなかった。そのため、メルディはまたリッドと同じベットに入り、今度はリッドを抱きながら目を瞑った。二人で一人のように・・・。
・・・あったかい―。
メルディはそう思って、目を瞑っていると、すぐにまた寝てしまった。

「ん・・・」

リッドが、やっと目を覚ました。リッドが体を起こそうとすると、腰辺りが何か重い・・・。顔だけを反対に向いて、メルディの存在にやっと気づいた。

「ぇ・・・(//////) メ・・・メルディ!?

軽くリッドが顔を赤らめて、顔を元の向きに戻した。しかし、眠ってるメルディをちょこちょこと顔を反対に向いて、何度も見る。抱いている手を離そうとしたが、触った瞬間謎の光がまた出てきた。しかも、その光は今までの温かい光と違って、かなり熱かった。これでは離す事が出来ないので、起きるまで待つしかなかった。
そのまま20分程経過した。どうするかとリッドが考えていたら、扉がガチャと開いて、ファラが戻ってきた。

「・・・リッド・・・まだそれなの?・・・」

何だが少し不信な目で見られる・・・。

「い・・・いや違う!(//////)・・・それより、メルディの手を外してくれねぇか?」

「そんなの、自分で離せばいいじゃない!」

「いや・・・何かまた謎の光が出て・・・熱くて取れねぇんだよ・・・」

そう聞いて、仕方なくファラが手をゆっくりと外す。外された瞬間、リッドはベットから起きた。そして、ベットにメルディが一人眠っている・・・。

「んで・・・メルディ・・・って?」

今頃それに疑問が出てきた。ファラはあの時居なかったから、知らなかったのだ。

「あ・・・あぁ、この子の名前だよ」

「へぇ〜・・・そうなんだ〜・・・」

そして、ファラはメルディの布団を掛け直して、出かける準備を始めた。リッドは、この寝室の奥にあるベランダに行った。太陽が眩しく、風が吹いている・・・。ここは、少し高度があるためか、ずっと奥にミンツが見えた。

「もう少しでミンツだね」

ファラがいきなりベランダに入ってきた。一瞬リッドが驚いて、少しベランダから落ちかけたが、何とか戻した。

「・・・危ねぇ〜・・・。・・・確かに、もうすぐでミンツだな」

そして、リッドはメルディを背負って、寝室から出て、最後にレグルスに会った。

「レグルス師範、一泊ありがとうございました」

また、頭を軽く下げる。ファラが無理やりリッドの頭を下げさせる。

「うむ・・・それよりリッド君と言ったか・・・道場でやるつもりは・・・」

「絶対ないです」

「・・・そうか・・・」

他にいろいろとファラが話し、レグルスの居た部屋から出た。
そして、レグルス道場を後にして、ミンツに向かった。


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